アトリエ商品の特徴と製作工程

モロッコのメディナ(旧市街)で売られているさまざまな商品。
素敵な物も多いのですが、目の肥えた日本のお客様に、
と思うとなかなか良いものを探すのも大変です。
そのためアトリエ・フォカリでは得意分野の布物を中心に、
独自の商品をデザインし製作することに力を入れています。
モロッコの素材や技術、デザインを生かしつつ、日本向けに質を向上させ、
都会で大人の女性が身につけられるような、エキゾチックなファッションアイテムや
日本でも気軽に取り入れられるインテリア雑貨をご提案しています。
ここではいくつかの商品の製作工程をご紹介します。

【モロッコインテリア生地を使用した商品】
当店のメイン商品であるモロッコのインテリアファブリックを使用した商品。
まずは素材である生地探しからスタートです。
クッションやファブリックに向いた生地とバッグに向いた生地は異なるので、
生地を見ながら頭の中でバッグに仕立てたり、クッションに仕立てたりして選びます。
写真は高級ファブリックの「モップラ」

生地を選んだら、次は模様の出し方を決めます。
モロッコサロンのクッションは70cm程度の大きいクッション。
柄もそのサイズに合わせて出来ているため、日本サイズに裁断するとなると柄の出し方が難しいのです。
バッグに仕立てるときも同様に、柄の出方で印象が大きく変わってしまうので、
ひとつひとつ柄を見ながらハサミを入れます。

例えばこの生地、どう裁断しましょう、、、。
ピンク部分の印象が強いので、ピンクの割合がほどよく出るよう配分しました。

【モロッコ刺繍バッグ】
まずは生地選びです。インテリア生地屋さんで、ソファやクッションに使われる丈夫な生地を選びます。
モロッコではソファやクッションをオーダーメイドする習慣があるので、素敵なインテリア生地が豊富にあります。
刺繍バッグには刺繍を生かすため、無地のスエード調生地を選びます。

たくさんのカラーがありますが、バッグとして身につけることを考えると使える色は限られてきます。
生地が決まったら、裁断して刺繍職人さんへ。
・刺繍職人さんのご紹介は[モロッコ生産者ご紹介をご覧下さい]
モロッコではジュラバやカフタンなど、現地の女性の普段着からパーティー着までこの刺繍が施されます。

ミシン台の下にハンドルが付いている専用ミシンです。
ハンドルをぐるぐる回しながら一筆書きの要領で描いていきます。
微妙な回し加減でさまざまな模様が描かれるのは側で見ていても不思議です。
アラビアンな雰囲気の立体的な刺繍。
日本にはない装飾としてぜひともこの技術を使いたいと思い、
刺繍が活かせるように持ち手と本体を一体型にしたバッグにデザインしました。

縫製後、検品した商品はお客様がご注文しやすいように、まずは日本へ送られます。
こうした長い工程を得たバッグ、ご注文が入るとようやくお客様のもとにお届けすることができます。
【モロッコ刺繍チュニック】
服を作るうえで重要なのはまず生地選び。
ところがマラケシュは化繊の派手な柄の生地が多く、
チュニックを作るようなシンプルな生地がなかなかありません。
スーク(市場)で売られている既製品のチュニックは洗濯後の縮みが激しいものや色落ちするものが多く、
そうならない生地を求めてモロッコの商業の中心地、カサブランカで生地の買い付けをしています。

当店オリジナルの商品は、デザインからパターン(型紙)までアトリエでオーナーが製作しています。
パターンを引き、裁断・縫製をしたものを刺繍職人へ出します。
刺繍のデザインはチュニックを作るうえで最もやりがいのある仕事。
手書きでスケッチを描いたものを職人さんにもって行きます。

職人さんとアイデアを出し合い、その場でデザインを決めることもあります。
何着か作るうちにこのグルグルと渦巻いた模様のバリエーションや法則、
方法もすっかり自分のものとすることができるようになりました。
刺繍ができあがったものは再びアトリエで仕上げの縫製をします。

モロッコのお国柄、現地で手に入るミシンの性能、現地で手に入る生地の質、、
日本の量販店に売られているような正確な商品を作るのは至難の業ですが、
手仕事のぬくもりを感じるような風合いはむしろ付加価値になると思っています。